仕事としての猟師。-ワークスタイルや年収、収入源は?
【第3回 】都内の美人営業マンが会社を辞めて茨城の奥地で狩女子になった件
え? ちなみにノンちゃん(Nozomi)は年間どれくらい捕るのか?……って?
……ギ、ギクリ!(・・・)
ハイ! 次は専業猟師の中の《認定鳥獣捕獲等事業者》の解説に移りましょう!(汗)
専業猟師の中でも《認定鳥獣捕獲等事業者》になると、年収はさらに50万円~100万円程あがり推定平均年収は300万円~350万円程(厚生労働省データから推定)になるそうです。
《認定鳥獣捕獲等事業者》とは、企業やNPOのうち、鳥獣捕獲の実績や必要な基準を満たし、都道府県から認められた事業者の事です。都道府県の認定を受けることによって都道府県からの事業を委託することができます。つまり、個人としてではなく、法人として組織で動く猟師さんの事です。《認定鳥獣捕獲等事業者》になると狩猟税(狩猟をするのに毎年税金が必要です)の免除や、準備金や捕獲した鳥獣の処分費を受け取ることができたりとさまざまなメリットがあります。
では次に《兼業猟師》です! 最近の猟師さんでとても多いワークスタイルで、何か他のお仕事と掛け持ちをして生計をたてている猟師さんの事です。例えば、平日は会社員で土日に猟をする、“サラリーマン猟師”。私のように自営業をしながら空いた時間に猟をする“自営業猟師”。猟期だけお仕事を休んでガッツリ猟をする“出稼ぎ猟師”。などなど、さまざまなワークスタイルがありますね……!
そして猟師さんの中には、金銭的な利益を追求しておらず、ジビエ肉や仲間とのコミュニケーション目的の“趣味猟師”や、私のように狩猟自体が目的でなく、あくまで畑にでる害獣駆除のための手段として狩猟をしている“農家猟師”など本当に皆さん、狩猟免許を取る理由はさまざまです。狩猟自体を楽しんでいる“トロフィーハンティング猟師”も、もちろんいます。
そしてこちらの《兼業猟師》の狩猟での推定平均年収は20万円~30万円(厚生労働省データから推定)との事でした!
ちなみにですが、私は3人で猟を始めましたが、新米罠猟師1年目終了、すべてを1から揃えた私たちの収支は……
なるべく安く揃えてひとり、約マイナス10万円……でした!(爆)
3人で30万以上の赤字……うぎゃおああああぁぁぁぁぁ!(´;ω;`)
私は目的として狩猟を行っているわけではなく、あくまで手段として行っていますので収支の計算など決算調査はとても大切なことだと思っています。次回に猟師になるまでのフローや細かい金額を説明していきますが、《兼業猟師》さんは初年度は黒字どころか、もしかしたらトントンに持っていく事すら難しいのかもしれません。それでも、罠をしかける為に山を、畑の周りを歩き回ることによって畑に出没する猪は確かに少なくなりました。
木々や風、山のにおい。山を歩く事によって肌で感じる四季の移ろい。
実の孫のように私たちを可愛がってくれる師匠や先輩猟師たち。
そして何より、自然の恵みとして頂いたお肉の味。
お金では測れないものが、価値が、そこには必ずあります。
2年目以降はかかる費用もぐっと減りますし、捕獲技術も少しずつですが向上します(そう信じたい)。そう、汗らずにゆっくりと、前向きに少しずつ、やっていけば良いのです。
【終わりに。結局、“猟師”は食べていけるのか。】
フリーの猟師さんは、専業猟師も兼業猟師も初年度から黒字にするのは難しいことなのかもしれません。でも、どんな職業でもそうです。お金を稼ぐという事は、尊く、大変な作業です。お金ももちろん大切ですが、そこに、お金以外のどんな価値を見出すかは自分次第だと思っています。
今日は仕事としての猟師について、主にワークスタイルや年収、収入源などについて綴らせて頂きました。次回は実際に猟師になるまでのフローや、私が実際に初年度にかかった金額を綴らせて頂こうと思います。この連載を通して私の、私たちの想いが、少しでも誰かに繋がり、そして何かのお役に立てれば幸いです。
- 1
- 2